事実上城南 戸建ての独壇場です
「私たちの言葉も、こちらが意図したようには子どもたちの耳に届いていないのかもしれない」とYは言った。
もちろんこれも、親にとっては馴染みぶかい話だ。
ティーンエイジの2人の子どもをもつSは、聞きわけのよかった息子が、思春期に入ってから「人の話が聞けなくなった」と語る。
「6ドル渡して、スーパーでこれとあれを買って、帰り道に金物屋に寄ってきてと指示するでしょう。
すると言われたことがひとつしかできないの。
いまでは一度にひとつの用事しか頼まないわ。
どうしてそうなっちゃったのかしら。
ほかのことばかり考えているから?」Yにも、思春期の子どもが2人いる。
彼女は自分の研究結果をもとに、子どもたちへの接しかたを変えたという。
子どもの外見がおとなびてきたからといって、行動もおとな並みになると期待するのはまちがっているのだ。
「食器洗い機にお皿を入れて、ぼさぼさの髪をとかして、床に脱ぎすてた服を拾いなさい。
以前は娘にこういう言いかたをしていたの。
でもひとつのことしかできてなくて、私が怒りだすわけ。
でもいまは、一度にたくさん情報を入れないようにしているの。
ひとつやり終えたら、次のことをさせる。
学校のアメフト部にいる子を見てごらんなさい。
14歳といっても体格は立派で、しっかり育っている。
でも脳の前頭前野はまだ成熟していないのよ。
これがハイスクールともなると、適切な情報さえ与えれば、子どもたちが正しい決定を下すと思われがちだけど、彼らの脳は私たちと働きがちがって脳スキャン実験に参加しているPも、思春期を経るにつれて自分の脳が変わっていったのを実感した。
M病院で3年間に計5回、脳をスキャンしたが、そのあいだに落ちつきが出て、方向性と焦点が定まったという。
ただ本人は、なぜ、どのようにそうなったのかわかっていない。
現在16歳で、ハイスクールの1年生になったPは、マーチングバンドやコンサートバンドでユーフォニウムを担当し、「あらゆる種類の音楽」を熱心に聴くようになった。
いまでも腹を立てることはあるが(とくにほかの生徒がちゃんと練習してこないときは)、以前のように頭に血がのったり、「何かを殴りつけたい」と感じることはない。
自分の感情をうまくコントロールすることができない。
父親のKは、息子の脳スキャン画像のコピーを保存しているが、それを見ると、成長したのは身体だけでないことがよくわかる。
いままでに撮った画像を並べてみると、私でもちがいがはっきりわかりますよ。
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